「竹の節」(読了時間:約2分)
地震が来たら竹敷に逃げろ、という言葉もあるくらい、竹はほかの木に比べてとても強いんだ。
じゃ、なぜそんなに強いのかと言うと、一つは、地中に深く広くしっかり根を張っているから滅多なことで倒れないということなんだけど、もう一つは何だと思う?
それは、竹には硬くて強い「節」があるからなんだね。触ったこともあるでしょう。鋸でだってなかなか切れやしないくらい硬いね。
もし、竹に飾がなくて一本の空洞の円柱形に過ぎなかったら、はるかに弱い。
じつは、「節」は、人間にとってもとても大切だ。目に見える節ではないけど、確かに「節」はある。たとえば、この「一学期」と「二学期」の間にも「節」がある。
「何年生」「何学期」なんていう制度も、「節」を作るための工夫といってもいいね。
たとえば、六年間、「学年」も「学期」も区切りがなくて「入学」と「卒業」しかなかったら......どんなに充実しない、弱々しい六年間になってしまうかは想像できるね。
それは「節」が作れないからだと言ってもいい。
だから、もうじき来るこの一学期の終わりにもしっかりと「節」を作ろう。
「節」は、一学期をいろんな面できちんと締めくくるんだという意識と、二学期になってからの新たな強い決意によって、強くできるんだ。
『子どもたちが身を乗り出して聞く道徳の話』
平光雄著 致知出版社