ちょっといい話~大人用~「自責の人と他責の人」(読了時間:約4分)
江上治氏の心に響く言葉より…
私たちは、チャンスに恵まれるときもあれば、不運な目に遭(あ)うときもある。
会社員であれば、希望しない部署への異動や転勤がある。
会社そのものが倒産することもあるかもしれない。
プライベートでは家族の病気も不運であるし、事故に遭うこともある。
こうした逆境や苦難は、誰でも避けたいものだ。
だが、不運に遭遇したとき、これをどうとらえるか。
じつは、そこが億単位の年収を稼げるか、ミリオネアになれるかの試金石なのだ。
どのような出来事であれ、「起こったことは、すべて自分のせい」と
考えられる人は、不運をチャンスに変えられる人である。
私は、それをある顧客から教わった。
東海地方で医療法人を経営するY理事長だ。
私がY理事長から教わった話とは、次のような内容だ。
起こった不運を他人のせいにする「他責」と、自分のせいだと考える
「自責」でいえば、稼ぐ人の思考の根底には、つねに「自責」がある。
社員を雇っている経営者であれば、100パーセントが自分の責任と思える人でなければ、とてつもない年収を稼ぐ人にはなれない。
たとえば社員にやる気がないという問題や、社員が休みがちという問題が起こったとする。
その場合でも、それは、そういう境遇しか与えられない経営者の責任だ。
夫婦の関係においても同様。
夫婦の間ですれ違いがあったときに、相手のほうが悪いと思うから、問題が起きるのだ。
そうではなく、たとえば奥さんが食事をつくらなかったとしたら、
奥さんをそのような気分にさせている自分が悪い。
家に帰ったときに、奥さんの機嫌が悪かったとしたら、それも自分が悪い。
もしかして、「ただいま」という自分の声が暗かったのかもしれない。
ぜんぶ自分が悪いのだと、まずは思え。
そうすれば、自然と解決策が生まれてくる。
ところが、相手のあそこが悪い、ここが悪いと言い出すから、
何の解決にもならず、同じ諍(いさか)いを繰り返す。
自分にとっての新しい気づきがないだけでなく、人間的な成長もなくなる。
自分が成長しないどころか、どんどん後退していくことになるのだ。
つまり、とても自分のせいとは思えないような不運に遭っても、
すべてが自分のせいであると自然に考えられるのが、稼ぐ人の思考である。
ほかの誰のせいでもない。
自分が引き受けていくしかないと思えば、すべてに覚悟を決めて向き合うことができる。
すべてを自責と考えることができる人は、何があってもポジティブに解決策を考えていける人でもある。
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『プロフェッショナルミリオネア』 プレジデント社
池田龍三氏「ちょっといい話」より