「この生涯になすべきこと」(読了時間:約4分)
ぼくが子どものころ、いつもおばあちゃんにこう質問された。
「おまえのほしいものはなんだい?」
ぼくはそのときそのときで、年齢にふさわしい答えを言った。五歳のときは「キャンディ」、十二歳では「自転車」、十五歳では「くだらない質問には答えないよ」。
けれどもおばあちゃんはいつでもじっくり耳を傾けて聞き、そしてまた尋ねるのだ。「ほんとにほしいものは何?」
ぼくはそう聞かれるのがいやでたまらなかった。どうしても考えさせられてしまうし、考えることが苦痛だったからだ。
ぼくがほんとうにほしいものは、最初にほしいと言ったものとは必ずちがってくる。
おばあちゃんの締めくくりの質問はいつも同じだった。「それを手に入れるために、どれくらいなら惜しまず払う?」
十六歳のとき、おばあちゃんの質問は複雑になった――「生涯に自分がなすべきだと思うことを二十あげてみなさい」。
それから毎年、おばあちゃんは感謝祭の日に、そのリストを書き直させた。
十八年間、ぼくはおばあちゃん手作りの七面鳥料理を食べる前に、自分のリストを手渡した。十九番目のリストは、手渡すことができなかった。おばあちゃんは感謝祭の二日前にこの世を去ったのだ。
それでも、おばあちゃんは満足していると思う。ただキャンディをほしがった五歳のときから、十九年間磨きをかけてこの最終結果が出るまで、ぼくの心の成長に手を貸したのだから。
一:自分がいたことによって、世の中が多少はよくなるようにする
二:無条件に愛する
三:大きな夢をいだき、実現させるためには代価を惜しまない
四:夜明けに美しく映えるリンカーン記念館を訪れる
五:子どもに好かれるようにする
六:グランドキャニオンでハイキングと川下りをする
七:自分が得意なものを見つけ、世の中に還元する
八:熱帯の島で夕焼けを見る
九:聡明な人々から尊敬を得る
十:家系を調べて一族の歴史を学び、祖国を訪問する
十一:国じゅうを車や自転車で旅行する
十二:困っている人を助ける
十三:死んでもなお残るものを作る
十四:勝負をするなら勝つつもりでやる
十五:毎日黙想し、祈る
十六:不可能だと言われていることをする
十七:真夜中に満月の下で浜辺を散歩する
十八:いったん決めたら、何があっても退かない
十九:子どものような熱意を失わない
二十:滝のしぶきを浴びながら裸で泳ぐ
あなたのリストには何があるだろうか。
『こころのチキンスープ16』ダイヤモンド社
(子供用に一部改変)