ちょっといい話~大人用~「収入と寄付金との関係」(読了時間:約2分)
経済の専門家であるアーサー・ブルックスは、収入と寄付金との関係を調査した。
2000年時点のアメリカ人約三千人のデータを利用し、
収入と寄付金に影響を与えそうなすべての要因
(学歴、年齢、人種、宗教、政治信条、婚姻関係の有無)なども考慮された。
予想どおり、収入が高いほど、寄付する額も多くなった。
収入が1ドル増えるごとに、寄付金は0,14ドル上昇したのである。
ところが、それよりはるかに興味深いことが明らかになった。
何と、寄付金が1ドル増えるごとに、収入が3,75ドル高くなったのである。
確かに、与えることで人びとは金持ちになっているようだった。
(中略)
心理学者のエリザベス・ダン、ラーラ・アクニン、マイケル・ノートンが調査を行い、
被験者に朝、自分の幸福度を評価してもらい、続いて、
思いがけない贈り物__20ドル(約2千円)入った封筒__を渡した。
ただしルールが一つだけあり、それは、20ドルを午後五時までに使わなければならないことだ。
そのあと、被験者は再び幸福度を評価した。
20ドルを自分のために使った人と、ほかの人のために使った人の、
どちらが幸福度が高かっただろうか。
たいていの人は、自分のために使ったほうが
幸福度が高いだろうと考えるが、それは間違いだ。
実のところ、自分のためにお金を使っても、
幸福度は変わらなかったが、ほかの人のために使った人は、
幸福度がかなり上がったと報告しているのだ。
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『GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代』 アダム・グラント 著 楠木 建 監訳
三笠書房より
池田龍三氏「ちょっといい話」より
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