いい話を、子どもたちに!【いい話を集めたブログ】

いい話をたくさん子どたちに聞かせたいと思い、古今東西からいっぱい集めました。寝る前にスマホで読み聞かせできます。大人の気分転換にもどうぞ。

ちょっといい話~大人用~「笑うことの大切」(読了時間:約4分)

f:id:kkttiiss1036:20190924131750j:plain

 

千葉大名誉教授、多胡輝氏の心に響く言葉より…


ある集まりで、まもなく百歳を迎えるというのに矍鑠(かくしゃく)として、


とくに頭の柔軟さは、一回りも二回りも若い私たちも


敵(かな)わないという大先輩に、その秘訣を尋ねました。


するとその大先輩は、


「やはりボケないためには、教養と教育がなくちゃいけない」


と言います。


この答えを聞いて、私は正直言って意外だったので、こう反論しました。


「でも大先輩、お言葉を返すようですが、けっこういい大学を出て、


本もたくさん読み、教養も教育も十分あったはずの人が、


ボケちゃったという話をよく聞きますよ」


するとその大先輩はこう言ったのです。


「ダメだなあ、君たちは。そんなことだから早くボケるんだよ。


あのね、キョウヨウっていうのはね、教養じゃなくて、今日、


用があること、キョウイクとは教育ではなく、今日行くところがあるってことなんだよ。


キミらもね、今日用事がない、今日行くところがない、となったらボケるしかないんだよ」


これには、居並ぶそうそうたるメンバーも、完全に一本取られ、その場は大爆笑の渦に包まれました。


たしかに、これほどボケないための頭の使い方を、巧みに表現した言葉はめったにないでしょう。


しかし、私は、その言葉の意味合いもさることながら、


彼のこの「人を食った表現のしかた、笑いの渦に人を巻き込むその頭の使い方」


こそが、若々しい頭脳の秘密ではないかと思ったのです。


長寿者といえば、あの百七歳と百八歳まで生きた双子の姉妹、


きんさんぎんさんの周囲にも、いつも笑いが絶えませんでした。


一番有名なのは、人気者になって出演料などがはいるようになったとき、


「お金を何に使いますか」と聞かれ、二人揃って「老後の蓄えにします」と答えていたことです。


そして、この愛すべき百歳姉妹が、


いろいろなところでその長寿の秘密を聞かれたときの「金さん銀さん語録」


として伝わっているもののうち、最初の二つが「笑い」に関するものだったのです。


全部で十四ヵ条ありますが、そのうちのいくつか紹介させていただきます。


①よくしゃべり、よく笑うこと。これも長生きの秘訣だと思うにゃ。


②笑う門には福来る、そういうじゃろ。犬や猿は笑わん。


③感謝を忘れたら、人間はだめになる。ああ、有難や、有難や。


④悲しいことは、考えんほうがええ。楽しいことを夢みることだよ。


⑤人間、大事なのは気力。自分から何かをする意欲を持つことだね。


こうして見ると、きんさんぎんさんにしても、


やはり生来の明るさ活発さという性格的なもの以上に、


日ごろの「笑い」を大切にする生き方が、これだけの長寿、


とくに頭の長寿を保てた重要な理由の一つだったと思うのです。

・・・・・・・・・・・・・

『100歳になっても脳を元気に動かす習慣術』日文新書
池田龍三氏「ちょっといい話」より