「うまくいったら皆のおかげ」(読了時間:約3分)
またフットボールの季節がやってきた
熱烈なフッボール・ファンには、アラバマにその人ありと謳われた名コーチ、故べア・ブライアントの名は記憶に新しいことだろう。
ブライアントをしのぶとき、誰もがほのぼのとした思いを胸に抱く。彼は、ただ人から慕われるばかりでなく、尊敬を一身に集めていた。彼は選手の持てる力を最大限に引き出す名手だった。
選手たちに「あなたの人生を大きく変えた人物は誰か」と尋ねると、即座に彼の名を挙げる者は少なくない。
ブライアントには、選手を奮い立たせる、ある単純明快な哲学があった。それは管理者が見習うべき心得である。
といっても、メモをとる必要はない。一度聞いたら忘れられないからだ。それは次の三か条から成る。
1:うまくいかなかったら、自分のせいと思え。
2:うまくいったら、皆のおかげと思え。
3:大成功を収めたら、人のおかげと思え。
こうした考えで臨めば、人の持てる力を最大限引き出すことができる。
人は自尊心を抱き、必ず「やるぞ!」という気持ちになる。エラーをしたときは、いちいち人から言われなくても自分が一番よく知っている。
だが胸のすくようなプレーをしたときは、皆に認めてもらい、ほめてもらいたいと思うのが人情である。喝采を浴びれば元気百倍、ますます技は冴えてくる。
ブランデイズも言っている。
「人はみな心の中に「理想」という火花を宿している。それは煽られると燃えあがり、ついには驚異的な成果をもたらす」。
ブライアントの単純明快な指導の三原則は、誰でも利用できそうだ。単純そのものだが、効果は抜群である。ぜひお試しあれ!
典拠不明
「こころのチキンスープ5」ダイヤモンド社
Keith JohnstonによるPixabayからの画像