「パパはなんでも知っている」(読了時間:約2分)
四歳:僕のパパは、なんでもできるんだぞ。
五歳:僕のパパは、なんでも知ってるんだぞ。
六歳:僕のパパは、君のパパより頭がいいんだぞ。
八歳:僕のパパにも、知らないことはあるんだね。
一〇歳:パパが育ったころと今とは、だいぶ違うんだよな。
一二歳:ああ、しょうがないさ。知らなくても無理ないよ。だって、パパは年だもの。自分が子どもだったころのことなんて覚えていないさ。
一四歳:パパの言うことなんか、気にしなくてもいいんだよ。古いんだから。
二一歳:えっ、僕の父さん? もう、どうしようもなく時代遅れさ。
二五歳:父さんにも、少しはわかっているみたいさ。でも、そんなの当たり前だよね。あれだけ長生きしてるんだもの。
三〇歳:父さんの考えも、聞いた方がいいんじゃないかな。何と言っても、経験があるからね。
三五歳:父さんに聞くまで、僕は何もしないからね。
四〇歳:父さんならこんなときどうしただろう? すごく知識も経験も豊富だったものな。
五〇歳:もし父さんを生き返らせることができるなら、何も惜しくない。そうすれば、父さんに相談できるんだがな。父さんがあれほど賢い人だったなんて、むかしはまるで気がつかなかった。もっといろいろなことを教えてもらえたのに。
アン:ランダース
『こころのチキンスープ2』ダイヤモンド社
Daniela DimitrovaによるPixabay