ちょっといい話~大人用~「可愛気のある言葉」(読了時間:約3分)
萩本欽一氏の心に響く言葉より…
言葉のパンチを出す人って、どこの会社にもいる。
そういう人は、すぐに上司や同僚とケンカになって、職場の空気を悪くするし、
自分の立場も悪くする。
会社の中では「正論」が、危険なパンチになることがよくあるよね。
これは言い方が正しくないってこと。
言ってることが正しくても、言い方が正しくなければ、その日本語は正しくないし、
相手を気持ち悪くさせる。
「どうして、すぐにA社に連絡をしなかったんですか?
それは、A社が処理すべき問題であって、ウチがやるべきことではないでしょう。
莫大な時間と経費のムダですよ」
なんて、まくしたてる。
自分が言っていることに間違いはないと確信してるから、自信満々にまくしたてる。
こんなことがわからないなんて、どうかしてるんじゃないですか?
と言わんばかりに正論をぶつける。
言われているほうとしては、こいつの言っていることは正論であるんだけど…、
という気持ちすらフッ飛んで、ひたすらどこまでも気分が悪くなる。
こいつは人の気持ちのわからないヤツだ、人間として最低だ、というような気分を高める。
そうならないためには、どうすればいいのか。
正論を言うときには、その頭やおしりに、かわいげのある言葉を足せばいいの。
たとえば「ボクみたいな、いつもヘマばっかりやっている人間が言うのもなんなんですけど…」
のような言葉を頭にくっつけてみる。
感情が高ぶって、つい、頭に言葉を足すのを忘れたときでも、
おしりのところに「…なーんて、みなさんが先刻ご承知のことをエラそうに言っている自分が、
恥ずかしくなってきました」のような言葉を足せば、正論の破壊力が、ずいぶん緩和される。
頭とおしりと両方に、かわいげのある言葉を足せば、もっともっと緩和される。
自分なりにかわいげのある言葉を、いくつか用意して持っておくと、
自分も相手も会話で気持ち悪くなることがめっきり減るから、すごくいい。
言葉のパンチが、パンチじゃなくて、相手のほおをなでてるくらいの、ソフトな言葉に変わるからね。
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『人生が楽しくなる気持ちのいい日本語』ゴマ文庫
池田龍三氏「ちょっといい話」より