ちょっといい話~大人用~「どこのどなたか存じませんが」(読了時間:約2分)
小林正観さんの心に響く言葉より…
夫婦ゲンカをする人は、これは自分の妻だ、これは自分の夫だ、という誤解をしています。
その人は自分の身内で家族であるから、何をいってもいいと思っているのです。
でも、仮に隣のおじさんが毎月給料を運んでくれていると思ったら、文句を言ったりしないでしょう。
「どこのどなたか存じませんが、毎月、毎月私たちの家族が食べられるようにしてくださって、ありがとうございます。経済的に困らないようにしてくださって、ありがとうございます」
とただ手を合わせて感謝するしかありません。
「たまの土曜日くらいは、子どものキャッチボールの相手をしてよ」
と疲労困ぱいして帰ってきた夫に向かって、こう言ってしまう妻がいるようです。
隣のおじさんだったら感謝しかないのに、自分の夫であると、
なぜそんなにイヤみばかりを言ってしまうのでしょうか。
夫の側からすると、どこのどなたかわからないおばさんが、
朝知らないうちに現われて、食事をつくってくれる。
朝起きると味噌汁から湯気が立ち上っている、
夕方帰ってくると夕食を用意してくれているなんていうことは、有り得ないことです。
他人だったら、手を合わせて感謝するのに、なぜ夫や妻には感謝しないのでしょうか。
それは、家族という名の甘えでしょう。
原点に立ち戻って、というより、原点よりずっと前のほうまで戻って、
夫も妻も、「この人は、もともとは他人だ」ということを認識する。
そして、この他人の男性が私に対して、たくさんのことをしてくださることに感謝。
他人の女性が私に対して、たくさんのことをしてくださることに感謝。
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『すべてを味方 すべてが味方』三笠書房
池田龍三氏「ちょっといい話」より