ちょっといい話「森の中にはどんなものがあった?(ヘレン・ケラー)」(読了時間:約2分)
ある日、森の中を長い間歩いてきたという友人に、ヘレンさんは聞きました。
「森の中にはどんなものがあった?」
すると、友人は「別に何も」と答えます。
そのときにヘレンさんが感じたことというのが、以下の文です。
「1時間も森の中を散歩して、『別に何も』ないなんてことがどうしたら言えるのだろうと思いました」
「目の見えない私にもたくさんのものを見つけることができます」
「左右対称の繊細な葉、白樺のなめらかな木肌、荒々しくゴツゴツとした松の木の樹皮・・・」
「目の見えない私から、目の見える皆さんにお願いがあります」
「明日、突然目が見えなくなってしまうかのように思って、すべてのものを見てください」
「そして、明日、耳が聞こえなくなってしまうかのように思って、人々の歌声を、小鳥の声を、オーケストラの力強い響きを聞いてください」
「明日、触覚がなくなってしまうかのように思って、あらゆるものに触ってみてください」
「明日、嗅覚と味覚を失うかのように思って、花の香りを嗅ぎ、食べ物を一口ずつ味わってください」
「五感を最大限に使ってください。世界があなたに見せてくれているすべてのもの、喜び、美しさを讃えましょう」
池田龍三氏「ちょっといい話」より