ちょっといい話「間をおくこと」(読了時間:約3分)
無能唱元氏の心に響く言葉より…
釈迦はこういっております。
「聡明で知恵のない人は病人である」
これはつまり、知識があり、判断力、記憶力などに優れておっても、自分の身を守る知恵を持ち合わせなかったら、その人は病気になってしまうだろう、といっているのです。
自分の身を守る知恵とは、たとえば人に非難された時、自分の心の中にでてくる嫌な気持ちを、いかに素早く、そして完全に消し去るかという、その工夫、知恵の使い方にあります。
誰かがあなたにむかって、「おい、お前はバカだな」といったとします。
するとあなたは、はてな、私はほんとうにバカなのかな、としばらく考えてみます。
そして、いや自分はそれほどのバカではないと思ったら、「いや、私はそれほどのバカじゃない」といえばよいし、
または、よく考えてみたら、これは自分はバカだなと思ったら、「はい、たしかに私はバカですね」といえばよろしい。
この時、「お前はバカだな」といわれたら、間髪いれず、「なにを!」と反射的に応じてしまう、そこに問題が生じます。
ここに一つの秘訣が示されております。
それは、「間(ま)をおくこと」です。
言葉による刺激を受けたら、一寸間をおいて考えてみることです。
すると、嫌な気持ち生はかなり防ぐことができます。
もちろん、この間をおくことだけは、それの完全除去には不十分なのですけれども、それにしても、世の一般の人から比べると、格段の差で、自分の心をコントロールできるようになるのであります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
人の度量の大きさは、人から否定されたり侮辱されたり、嫌なことに出会ったりしたときの反応でわかる。
たとえば、レストランでサービスが悪かったとか料理がまずかった、などのとき、瞬間的に怒り出す人がいる。
逆に、斎藤一人さんのように、サービスが悪かったことを笑い話にして、それを楽しんでしまう人もいる。
昨今は、レストランや病院、電車などで、キレる人が増えてるという。
急に怒り出したり、暴力におよぶ人だ。
キレる人は、ストレスをためやすく、余裕がなくて、自分を客観視できない。
つまり、何をするにも、「間をおく」という、一呼吸置くことができない。
つまらないことで怒る人を俗に、「ちいせえヤツ」という。
どんな非難に対しても、一瞬間をおくことができる、器の大きい人でありたい。
出典:『君の霊格を高めよ』竹井出版
池田龍三氏「ちょっといい話」より
(子供用に一部改変)