いい話を、子どもたちに!【いい話を集めたブログ】

いい話をたくさん子どたちに聞かせたいと思い、古今東西からいっぱい集めました。寝る前にスマホで読み聞かせできます。大人の気分転換にもどうぞ。

「天国と地獄」(読了時間:約2分)

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ひとりの男が、天国と地獄について神様と話をしています。神様が男に言いました。

 

「こちらについて来るがよい。地獄を見せよう」

 

二人が最初に入っていった部屋には、人間たちが煮物の入った大きな鍋を囲んで座っていました。全員がひどくお腹をすかせ、生きる望みもすっかりなくしたように見えます。

 

皆、スプーンを鍋に入れては煮物を口に運ぶのですが、スプーンの柄が腕より長くて口に届きません。その苦しみようと言ったら、それはひどいものでした。

 

「さあ、今度は天国を見せよう」しばらくすると神様が言いました。

 

二人がつぎに入っていったのは、先ほどとまったく同じような部屋でした。煮物の入った鍋、そして柄の長いスプーンがあり、人間たちがいました。ところがこの部屋の人たちはお腹も十分に満たされ、その顔は幸せに輝いていたのです。

 

「どうしてなのでしょう? 私にはわかりません」とその男は言いました。「なぜここにいる人たちはこんなに幸せで、さっきの人たちはあんなに惨めなのでしょう? 条件はまったく同じだというのに?」

 

神様はほほ笑むと、「それはとても簡単なことだ」と言いました。

 

「ここにいる者たちは、お互いに食べさせ合うことを学んだのだ。ただ、それだけの違いなのだよ」

 

アン・ランダース

『こころのチキンスープ2』ダイヤモンド社

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