ちょっといい話「楽しくすれば重荷には軽くなる(トム・ソーヤの冒険より)」(読了時間:約2分)
あるとき、トムは学校をさぼったのが発覚し、罰として塀のペンキ塗りをさせられる。
トムはこの仕事がいやでいやでたまらない。しかし、やらねばならない。
そこでトムは一計を案じる。このペンキ塗りを、いかにも面白そうに始めたのだ。
おもしろくておもしろくてたまらない、というふりでペンキを塗った。
するとそこへ友人が通りかかった。トムがあまりにも楽しそうなので、
「ちょっとやらせてくれないか」という。
トムはしかたなく、友達にもやらせてやった。
次から次へとやってくる友人が、みんなペンキ塗りを替わりたがる。
おかげでトムは、自分ではあまり苦労もせず、
あっというまにペンキ塗りは終わってしまった。
楽しそうな人のそばには、人が寄ってくる。
人が集まってくれば、つらい気持ちも軽くなる。
つまらなそうに、つらそうにしていれば、人は寄ってこない。
ひとりぼっちになり、重荷はもっと重くなる。
たとえ実際に仕事を替わってもらえなくても
人がそばにいるだけで、重荷は軽くなるものだ。
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(子ども用に一部改変)
池田龍三氏「ちょっといい話」より