ちょっといい話「耳がほとんど聞こえなかったエジソン」(読了時間:約3分)
実は、エジソンは十代の初め、原因ははっきりしないのだけど、耳がほとんど聞こえなくなってしまったんだ。
しかし、そのとき言ったことがすごい。
「これで、研究に集中できる」「これは、『無形の宝物』だ」って。
すごい言葉だよなあ。まったくめげていない。
それどころか研究には有利だっていうんだ。
多くの人は落胆してしまうよなあ。
後に蓄音機を発明したときは、機械を載せたテーブルにかじりついて、頭蓋骨を通してその振動で音を聞いたというんだ。
すさまじいね。
そして、とても有名になった「白熱電球」の発明だ。
電流がフィラメントを通ると、熱と光を発する。
この性質を利用したのが白熱電球。
でも、そのフィラメントがすぐに溶けてしまったり、弱かったりして
なかなかうまくいかなかったんだね。
各種金属や墨、糸など、ありとあらゆるものを世界中から探してきて、実験
してみたけどうまくいかない。
「失敗」続きだ。
そんなとき、エジソンはちっとも落胆せずに、
「また、よくない材料を一つ見つけた。これも大きな成果だ。さあ、次!」言つて、
実験を続けていったというんだ。
「失敗」は、見方を変えれば「間違いの発見」でもあるというわけだね。
こうして、一万回の「失敗」にもめげずに実験を続け、ついに白熱電球にふさわしいフィラメントの材料を見つけたんだ。
それは、日本の竹だったんだ。
中でも京都の竹がいちばんいいことがわかった。
このエジソンの発明は、人々の暮らしをすっかり変えた。
夜も明るく暮らせるようになったわけだからね。
エジソンの亡くなった日は、アメリ力中が数分間明かりを消したというエピソードも残っているね。
「子供たちが目を輝かせて聞く偉人の話」平 光雄著 至知出版社
(子供用に一部改変)
池田龍三氏「ちょっといい話」より