「希望」(読了時間:約2分)
ある朝、食事をしていると、ガン専門医二人が話しているのが聞こえてきた。ひとりが苦々しげに言っている。
「ボブ、どうにもわからんのだがね。ぼくたちは同じ薬を同じように処方し、同じスケジュールで同じ規準にしたがって治療している。
それなのに、ぼくの治療成功率は二三パーセントで、きみのほうは七四パーセントというのは、なぜなんだろうな」
すると相手が答えた。
「ぼくたちは両方とも、エトポシド(E)、プラチナム(P)、オンコヴイン(0)、ヒドロキシュリア(H)を使っている。ただ、きみはこれをEPOHと呼んでいるだろう。
ぼくはHOPE、希望(ホープ)をあげますよ、と患者に言うんだ。治癒の確率はどうあれ、希望があることを強調しているのさ」
ウィリアム・M・ブッシュホルツ医学博士
「こころのチキンスープ4」ダイヤモンド社
Arek SochaによるPixabayからの画像