ちょっといい話「これが私の仕事ですから」(読了時間:約1分)
ベトナム戦争直後のことだ。
ある時、私の友人がものすごいどしゃ降りの最中に、ガソリンスタンドに立ち寄った。
出てきた従業員はガソリンを満タンにする間中、口笛を吹いていかにも楽しげだった。
その従業員のユニフォームから水がしたたり落ちているのを見た友人は、
こんな大雨の中にひっぱり出してしまって申し訳ないとわびた。
するとその従業員は、にっこりしながらこう答えた。
「これが私の仕事ですから」
彼は続けた。
「私はね、ベトナムの塹壕の中でじっと腹這いになっていた時に、誓ったんですよ。もし生きて無事に家に帰れたら、どんなに嬉しいことか」
「そうしたもう二度とどんな目にあったって決して不平をもらすまいと、とね。だから、私には文句というものがないんですよ」
『燃えるだけ燃えて生きよ!』 アラン・L. マクギニス 著 稲盛 和夫 訳 三笠書房より出典
池田龍三氏「ちょっといい話」より