「おじいちゃんへのエアメール」(読了時間:約2分)
70歳のおじいちゃんは、ガンのためあっという間にこの世を去った。
お別れを言う機会がなかった10歳の孫娘、レイチェルは、何日も泣き暮らした。
だが彼女は、ある誕生日のパーティーで大きな赤い風船をもらい、あることを思いついた。
おじいちゃんに手紙を書き、風船につけて、天国へ航空郵便で届けようというのだ。
レイチェルの母親は、だめと言うには忍びなく、やわな風船が庭の立ち木を越えて空に消えてゆくのを、目に涙を浮かべて見守った。
二か月後、レイチェルは一通の手紙を受け取った。1000キロも離れた町の消印が押されていた。
レイチェル様
あなたがベニーおじいちゃん宛てに書いたお手紙は、ちゃんと届きましたよ。おじいちゃんはほんとうに喜んでいました。
ただ、形あるものは天国ではとっておけないので、あの風船は地上に送り返さなければならなかったことを、わかってくださいね。
天国では、思いや、記憶や、愛など、そういうものだけをとっておくことになっているのです。
レイチェル、あなたがおじいちゃんのことを考えれば、おじいちゃんには必ず伝わります。そして、あなたのすぐそばで、あなたを心からいとおしく思っているのです。
ボブ・アンダーソンより(私も孫のいるおじいちゃんです)
マイケル・コーディ
『こころのチキンスープ18』ダイヤモンド社
(子供用に一部改変)