ちょっといい話~大人用~「1日に100回、自己イメージをしている」(読了時間:約3分)
私たちは日々、自己対話によって、自己のイメージを強固なものにしています。
私たちは1日におよそ100回、自分を定義する言葉を口にしたり、心の中で発している
と言われています。
「オレは人見知りだからなあ」「オレは口下手だからなあ」「オレは体力がないもんな」
「アタシはおおざっぱな性格だから」「アタシは根気がないしなあ」「アタシは料理が嫌いだし」
というった具合に。
そうした自己対話がどこから出てくるかというと、自己イメージから出てくるのです。
自己イメージから出てくる自己対話が、自己イメージとブリーフ・システムをさらに
強固なものにします。
ブリーフ・システムとは、自己イメージから生まれた信念(ブリーフ)にもとつい
て思考や行動が決定されていくことを指します。
自己イメージに沿って自己対話が行なわれ、自己イメージとブリーフ・システムが
ますます固定化します。
このように、私たちは言語で強力な縛りを受けています。
「自分は○○な人間だ」という信念は、「言語」と「イメージ」と「情動(感情)記
憶」の三つの要素でできています。
例えば、上司に怒られたときのことを思いだして、「あのときは最悪だったな…・:」
と自己対話をした途端に、必ずそのときの「怒られている自分」というイメージと
「みじめな自分」という感情の記億がセットになって立ち現れます。
そのとき脳では、失敗をもう一度体験したのと同じ臨場感が生まれます。
つまり、実際にそれが起こっている場面に身を置いているような生々しい感覚を感じるのです。
ですから、失敗体験を何度も思いだす性格の人がいますが、そのクセは絶対にやめ
るべきです。百害あって一利なし。失敗体験の反芻は頭のゴミです。
実際には一度しか起こっていないマイナスの出来事でも、その出来事についてのマ
イナスの自己対話をくり返すと、脳の中では何度もその出来事を体験したのと同じこ
とになり、「自分はダメな人間だ」というブリーフが強固になります。
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「『頭のごみ』を捨てれば、脳は一瞬にして目覚める」苫米地英人著 徳間書店
池田龍三氏「ちょっといい話」より