ちょっといい話~大人用~「長生きの秘訣」(読了時間:約3分)
東海大学医学部教授、川田浩志氏の心に響く言葉より…
近年、多くの調査研究がなされてきました。その結果、
「人生をより前向きにとらえ、楽しんで生きている人のほうが、
そうでない人よりも病気になりにくく長生きである」
ことが明らかになってきたのです。
2009年に、日本の全国規模の研究グループが、「人生を楽しんでいる意識」と
、脳卒中や狭心症・心筋梗塞などの心臓病との関連性について調査し、
米国心臓協会の専門誌に報告しました。
これは、40~69歳の日本人男女に、自身の「人生を楽しんでいる意識」を
0(低)、1(中)、2(高)の三段階から一つ選んでもらい、
それぞれの数字を選んだ人々の病気の発生率や死亡率について、
その後何年も追跡調査して得られたものでした。
結果として、「人生を楽しんでいる意識」の高い男性は、
脳卒中や心臓病による死亡リスクが、「人生を楽しんでいる意識」の低い男性の
約半分であることがわかりました。
その後、ロンドン大学のアンドリュー・スティプトゥ教授らの研究グループは、
60歳以上の男女を対象に、生活や人生を楽しんでいる意識をもう少し詳しく調査して、
それらと将来の身体機能との関連性について検討してみました。
彼らは、以下の4つの項目:
①自分がすることを楽しんで行っている
②他人といることが楽しい
③振り返ってみると自分の人生は幸福だ
④最近エネルギーに満ちているように感じる
について、「まったく自分にあてはまらない」という場合を0、
「ほぼあてはまる」という場合を3として、
0~3の数字を被験者に選んでもらいました。
そして、四つの項目について選んだ0~3までの数字の合計と、
人々のその後の身体機能の変化との関係性について、追跡調査を行いました。
その結果、四つの項目すべてに3を選んだ(つまり合計が12の)
「人生を楽しんでいる意識」の高い人たち(男性の21%、女性の21%)は、
数字の合計が9以下であった、人生を楽しんでいる意識の比較的低い人たち(男性の23%、女性の23%)
に比べて、将来、身体機能になんらかの問題を抱えて
日常生活に支障をきたす人の割合が明らかに少ないことがわかりました。
つまり、人生を楽しんでいる人ほど健康寿命が長く、
その分、人生をさらに長く楽しめる、ということが示されたのです。
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池田龍三氏「ちょっといい話」より