ちょっといい話「最期の最期の(マザーテレサのお話)」(読了時間:約2分)
マザーテレサは誰が見ても助からないような病人や老人、あるいはもう死にかけている栄養失調の孤児などを連れてきては、本当に心からの介護、看護ををしました。
多くの人からマザー・テレサはこう聞かれました。
誰が見ても絶対に助からない人たちではないか。
もう少し助かる人を連れてきてはどうか。
いくら手当てをしても助からないと思われるような人ばかり集めても、介護、看護が無駄に終わるのではないか。無駄ではないかという質問です。
聞く人の気持ちもわからないわけではありませんが、随分残酷な話です。
放置しておいたら間違いなく死ぬであろう、そういう弱者に対して、もうどうしょうもないのだから、放っておいたらどうだ、という質問を浴びせかけたのです。
そのときのマザーテレサのことばはこうでした。
「生死こだわっているわけではありません。この人たちをそのまま放置しておけないのです」
「この人たちはこのまま死んでいったならば、人間に生まれなければよかった、なんで人間なんかに生まれてきたのだろうと後悔しながら、悔みながら、あるいは世の中を呪いながら死んででいったかも知れません」
「最期の最期の、人間としての最期を本当にできる限り手厚い介護してあげたいのです」
「その結果、自分は人間に生まれてきてよかった。こんなに良くしてもらえたのだったら、人間に生まれてきて本当によかったと思ってもらいたいのです」
こうマザーテレサは言い切りました。
池田龍三氏「ちょっといい話」より